当ブログは、大阪の発展を願いながら、細々と大阪の魅力を発信しています。
政治的な色がつくことは避けたいですので、特定の政党を支持したり、あるいは反対したりするようなコメントは極力避けています。
なので、これを書くかどうかは非常に迷いました。
ですが、大阪万博を控え、今後50年・100年の大阪の発展の方向性が決まろうとしているいま、いろいろなニュース記事を渉猟するうちに「維新は大阪をどこへ連れていこうとしていたのか?」ということに、一本の糸が通るような思いになりましたので、まとめさせていただこうと思います。
なお、ブログ主は特定の政党を応援したり、批判したりする立場はとっていません。あくまで「大阪の発展を願う」という観点からの記事になりますので、ご了承ください。
橋下さん、そして維新の会は大阪をどこへ連れていこうとしたのか?大阪の発展を願ういち市民の意見
橋下さんに対する違和感
この問題を特に深く考えるようになったのは、昨今(当記事作成2022年5月)のウクライナ戦争におけるコメンテーター橋下さんのテレビでの発言からです。
戦争の早期終結を目指さないウクライナの姿勢を批判するかのような主張を、テレビで繰り返し行っていたことは、多くの人が首をかしげたことでしょう。
大阪府知事・大阪市長であった時代には、「ポピュリスト」と批判されることすらあった橋下さんですが、侵略された側のウクライナを批判するような論調は「ポピュリスト」的な意見からほど遠く、強い違和感を感じておりました。
これが始まりです。
「なぜ、橋下さんはウクライナに対して早期降伏(あるいは政治的妥結という幕引き)を繰り返し主張したのか?」
そして、あるブログ記事を目にすることで、この「謎」が氷解したことが、今回の記事をエントリーしようと思った理由です。これは大阪の未来にとって非常に重要なことですので、書きとどめておこうと思い至りました。その「あるブログ記事」については後ほど紹介いたします。
大阪の現状:ぶっちゃけ負け犬
ここで、大阪のおかれている非常に苦しい現状について簡単にまとめておきます。(あとで、上記「謎」と結びつきます)
バブル崩壊以降、大阪は負けっぱなしです。
これは、大阪人以外にはなかなか分かりにくいことだと思いますが、この事実を知らずに話を進めると、本質を見失います。
もう一度言います、大阪は負けっぱなしなのです。
かつて、全国に冠たる大企業で、大阪に本社を構える会社もたくさんありました。住友財閥系は大阪発祥ですし、日清食品やアサヒビールも大阪発です。しかし、雪崩をうつようにみんな東京へ本社を移動させていきました。パナソニックや武田薬品工業も登記上の本社自体は大阪ですが、本社機能の実態は東京にあります。シャープは上場廃止で外資に買収され、サンヨーは倒産。比較的新しいところでは、音響機器の名門ONKYOも倒産しました。
大阪経済は、非常に厳しい状況です。
そのうえ、「ふしあわせ」と揶揄された大阪府・大阪市の対立があり、画一的な都市開発もできない。咲洲(さきしま)、夢州(ゆめしま)など、巨大な人工島を作るも閑古鳥・・・というより、大阪万博2025が決まるまで、夢州は巨大な無人島だったのです(船のターミナルはありますが。。。)
「逃げ出す企業」「かみ合わない行政」「負債を垂れ流す無駄なハコ物と人工島」
ぶっちゃけ負け犬です。
大阪の未来は真っ暗だったのです。そして、大阪から逃げた企業は東京へ行く・・結局のところ、東京一極集中に最も貢献したのは、大阪のヘボさかも知れません。
そんな状況の中で出てきたのが、橋下さん率いる大阪維新の会であったわけです。
他府県の人から見ると、「大阪人はアホだから橋下のパフォーマンスに騙されるのだ!」という論調もあるようですが、大阪の没落に正面から立ち向かおうとした姿勢が評価されている、という点は無視するべきではないと思います。
大阪万博2025
そしていろいろありましたが、ペンペン草しか生えない巨大な無人島であった使い道のない夢州(ゆめしま)が大阪万博2025の開場に決まり、IR(カジノを含む総合リゾート)として跡地を活用するという方針となって、現在に至っているわけです。
大阪万博2025は、負け続けた大阪の反撃ののろしである、少なくとも負け犬根性のこびりついた大阪にとっては久しぶりの新しい灯りでありました。
当ブログでも、大阪万博2025を見据えて、大阪の魅力を細々と発信しているわけであります。
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新組織:大阪港湾局の光と闇
大阪の発展を心より願っている当ブログとしては、当然ながら、大阪の経済動向・都市開発計画にも大きな関心を持っています。
そんな中、府と市が協力し、大阪湾の発展をダイナミックに目指していく組織として新設されたのが、大阪港湾局です。
こういう動きは、個人的には期待したいと思っています。
広報用のパンフレットはこんな感じです。
一部抜粋します。
これは「光」の部分だと思います。
釜山や香港に互する、国際的一大ターミナルを作りたいという意気込みは評価したいと思いますし、そもそもこの資料を見ると、「京浜港」と並び「阪神港」を日本の二大拠点にするのは、大阪独自の発想というより国策のようです。2010年に「国際コンテナ戦略湾港」に選定されています。
大阪港湾局は、この国策の流れに乗って、流れを加速するために必要なものでしょう。
しかし・・・光あるところに闇が・・・大阪港と武漢港(あの!武漢です)のパートナーシップ協定が締結されていました。
これは、たまたまこのブログで目にしました。
大阪港をシルクロードの東の端に・・・
大阪港の情報を渉猟するあいだにたまたまたどり着きました、有名な保守系の地方議員さん(小坪議員)のブログです。
繰り返しになりますが、あまり政治的な話に突っ込むのはこのブログの主旨ではありませんので、詳しい話はぜひ上記ブログ記事にてご確認ください。
ザックリというと、「武漢と大阪は地理的に近いため、ここの海運が開けるとすさまじい経済的インパクトがある」ということです。。
上記議員さんのブログの中でも紹介されていますが、あらためてグーグル地図で見てみましょう。
ぬぬぬ・・・確かに・・・武漢から長江を下ればもう東シナ海。瀬戸内を通れば大阪まで案外すぐ・・・!!
物流網ということだけを考えれば、東京へ運ぶより、大阪へ運んだ方が抜群に近く、相性が良い。
ううむ・・・この手があったか。。。
そして、この話にはまだ先があります。
武漢からは鉄道が・・・中央アジアを抜けて、欧州へつながっています。
おお~。
大阪から武漢まで海路で、武漢から欧州まで鉄道で・・・大阪と欧州が繋がる。。船でインド洋を回るよりもずっと早い輸送経路です。
つまり、大阪と武漢の連携は、中国を通して欧州の市場をも取り込もうという、凄まじく大きな話につながる可能性があるというわけです。
かつて、シルクロードの終着点は、大阪湾から大和川を遡った奈良でした。
まさに、大阪港湾局は現代版シルクロードの東の端を取ろうとしているのかも知れません。
これは、確かに東京よりも優位性があります。中国と欧州のエネルギーを吸い取って、東京に対抗していこうという、大阪の起死回生をかけた巨大プロジェクトになりうるかも知れません(一見)。
橋下さんと大阪維新の会は、大阪をここへつれて行こうとしていた、のかも知れません(財界主導かも知れませんが・・・)。
この考えを裏付けるのが、はじめに出てきたウクライナ問題です。
ここで繋がるウクライナ問題
ここで、ウクライナがどこにあるかを考えてみましょう。
あら不思議・・・中国と欧州を結ぶ経路の途中に、ウクライナがあります。
ウクライナの情勢が不安定化するということは、この重要な経路が寸断されるということです。
すなわち、橋下さんが「ウクライナは早期妥結しろ!」と言っていたのは、「ウクライナ情勢を早く安定化させろ!」という意味であり、「俺たちの大阪・大復活構想を邪魔しないでくれ~!!」という思いからだったのではないか、というのが先ほど紹介したブログの中で考察されています。
これが全てなのかどうかは分かりませんが、1つの説としてはある程度筋が通っているように思います。
橋下さんや維新が中国と利害関係にあるのかどうかは分かりません。けれど、今までの大阪の歴史、負けを払拭しようとしてきた維新の行動を思い起こせば、いろいろな事象が一本の糸で繋がるような、有力な説であるように思います。
これが真実かどうかは分かりませんし、続報では神戸港も武漢とパートナー関係になっていたようですので、大阪港湾局のみの問題というのも違うように思います・・・が、興味深い説であることは確かだと思います。
この道を進むべきか否か・・・否!
この戦略はね・・・確かに、凄まじいポテンシャルを秘めていると思います。
古代のシルクロードの再現、ユーラシア大陸の交易の「東の端」を日本が獲る、それは行き詰った大阪経済に眩しすぎる光をもたらすでしょう。これならば、東京に勝てる可能性がある。。
しかし、昨今問題になっている経済安全保障という問題を考えれば、この道は危うい道だと思います。
物流の中枢が、中国=「大中華」になることであり、この道を進めば大阪は美味い果実を得るどころか、「小中華」になってしまう可能性が高いと思います。東京に勝つはずが、実質中国の地方都市のような立場になってしまうかも知れない・・・
大阪港湾局の気持ちをあえて代弁すると、大阪港湾局はこのプロジェクトのみに没入しているわけではないと思います。大阪港湾局からすれば、これは数多くある戦略的ビジョンの一つに過ぎないのでしょう。それに、現実的に、日本のすぐ近くにある巨大な物流拠点を、完全に無視することも経済合理性を考えれば難しいのだろうということは理解できます。しかし、これが後々もたらす影響は絶大です。
これは危うい道ですが、そのポテンシャルが凄まじいからこそ、なおさら危険だと思います。悪徳金融会社が、きわめて割のいいビジネスを、没落し貧乏になった大阪商人たちに提示してきているというイメージでしょうか。。
これに食いつけば、のちのち大阪はより苦しい立場となるでしょう・・・
大阪が本当に勝ちたいならば、別の勝ち筋を今からでも探すべきだと思います。大阪では圧倒的な議席を持つ大阪維新の会の政治家や、特に若くて将来有望な吉村知事には世界情勢を熟考して欲しいと思います。(ま、こんな場末のブログ、影響力のある方は目にしないでしょうが・・・)
でも、これ、慢心していると維新は今までの功績が全て吹き飛ぶよ・・・それに、大阪自民は今こそ活躍のチャンスでは?政治家のみなさん、ぼやぼやしないで欲しい。
あとついでなので、もう一つ文句を言っておくと、維新は確かに頑張ったよ、けれどもインバウンド以外に確固たる大阪の成長戦略が見えないのが不満かな・・・。大阪「都」も結局制度設計の話だし。。かつて日本経済を支えた東大阪の町工場・中小企業をどうやって復活させるか、逃げた大企業をどうやって大阪に呼び戻すか、そして新しい産業をどのようにして生み出していくか、ということについてのビジョンがイマイチ見えてこないのが不満ですよ、吉村さん。まあ、そんなのは民間が考えることだというのが、維新の立場なのかも知れないが・・・だとすれば、大阪自民の中からもっとイキのいいのが生まれてきてもいいと思う。
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・・・というあたりで、これ以上政治がらみに話に突っ込むのはやめにしようと思います。当ブログは、あくまで負け続きの大阪に明るい希望をもたらしたいという主旨で運営しています。
微力ながら、当ブログでも引き続き大阪港湾局の動きを観察していきたいと思います。
これを機に「大阪の勝ち筋」というサブカテゴリを作成しようと思い至りました。大阪を・・・勝たせたい!が合言葉。
この道を進めば、目先は勝つけど、長期的には負けるような気がします。大阪・・・頑張りなはれ。
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