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心斎橋の大丸は大阪の衰退と復活の象徴

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2019年9月20日に心斎橋大丸の本館がリニューアルオープンいたしました。

インバウンドで沸く大阪心斎橋。大丸も連日大盛況です。けれども、この場所こそ、まさに大阪の衰退と復活を象徴しているように思います。

心斎橋大丸本館リニューアルは、大阪の没落と復活を象徴しているようで感慨深い

 

衰退の歴史:心斎橋大丸北館はもともと心斎橋そごうだった

2010年ごろまでは、大阪は没落の一途を辿っていました。企業も人口も首都圏への流出が止まらず、もはや日本第二の都市としての地位もプライドも奪われ、衰退していくばかり。心斎橋も今よりは人通りが少なく、今にして思えばあの時代も懐かしいぐらい。

 

 

現在、大丸の北館になっている場所は、大阪百貨店の代表格だった「そごう心斎橋本店」があった場所です。経営破綻後に一度復活したものの、2009年に閉店いたしました。

当時は、「これからは百貨店なんてもう流行らない」という風潮でした。デフレが続き、百貨店で買い物などする時代ではなかったように思います。そごう破綻は、一つの時代の終わりを示しているように思った記憶があります。

ちなみに、そごうは1830年大阪で開業した「大和屋」をルーツに持つ、大阪発の名門百貨店でした。この場所は、まさに「大阪の没落」の象徴だったのです。

その後、建物は心斎橋大丸の北館として継承されます。

ちなみに当時、「ミナミ」自体も、梅田を中心とする「キタ」に客を奪われ、全体的に地盤沈下を起こしていました。「大阪の衰退」+「デフレ」+「ミナミ→キタへの人の流れの移動」という、まさに三重苦でした。

 

そして奇跡の復活

2010年台以降、関西国際空港のLCC拡充に伴いインバウンドが増加。関西国際空港からの大阪の受け入れ窓口となる「ミナミ」は奇跡の復活を遂げます。

おりしも、デフレ不況も一段落して経済もやや上向き傾向。状況は一変しました。

いまや、心斎橋大丸は外国人含む客で連日大盛況。

そうして、9月20日に心斎橋大丸本館がリニューアルしてグランドオープンに至ったわけです。ちなみに、次は旧そごうの北館もリニューアル工事に入ります。

そごうが経営を続けていたとしたら、どうなっていたでしょうか?最も悪いタイミングで、そごうは閉店となったのかも知れませんね。

 

栄枯盛衰の心斎橋の百貨店から経済動向を考察してみる

百貨店の売り上げ推移

面白い資料があります。経済産業省が公表している百貨店の売り上げ推移です。

 

参考資料:経済産業省ホームページより

 

百貨店の衣料品販売については、1990年ごろをピークに減少の一途を辿っています。呉服屋などにルーツを持つ百貨店ですが、衣料品販売という観点からは、「百貨店の時代は終わった」というのは確かなのかもしれません。

一方で、その他身の回り品小売業等の売り上げは、2009年ごろを底に回復基調にあります。これは、インバウンドや景気回復の影響を反映しているでしょう。

心斎橋大丸はまさにこの流れに乗ることができたと言えます。そごうのビルディングを「底」で買えたのも結果論としてはラッキーだったと言えるでしょう。

 

心斎橋駅周辺の地価の推移

次に、心斎橋駅周辺の地価の推移をみてみましょう。

 

参考資料:地価公示チェッカーより

 

2013年を底に、地価も回復基調にあります。全国でも有数の地価上昇率となっています。これも心斎橋を含む「大阪ミナミの復権」を示唆する資料で、興味深いです。

心斎橋大丸は、今後大阪の復活のシンボルの一つとなっていくかも知れませんね。

この灯が消えない限り、大阪経済はきっと大丈夫。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。ちょっと寂れた時代の心斎橋を懐かしく思うところもある反面、衰退の一途を辿っていた大阪経済の復活傾向という意味では明るい話題だったのではないでしょうか。

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