本日は千里丘陵の南端に位置する、吹田市の垂水(たるみ)神社をご紹介いたします。
古代千里の水の神:垂水(たるみ)神社
創建は不詳ですが、西暦650年前後[大化の改新の近辺]と推定されます。堅穴式住居が付近から見つかっていることから、ルーツは更に古い可能性があります。旧社格は郷社、神社本庁に属さない単立神社です。
石走る垂水の上の早蕨の
萌え出づる春になりにけるかも(公式HPより)
万葉集にも登場する由緒ある神社です。
住宅地に埋もれた明神鳥居と参道
阪急千里線の豊津駅と、御堂筋線の江坂駅の中間付近に位置することから、現在は周辺は住宅地となっています。
こんな感じで、参道に普通のお家が隣接しています。きっと昔は周囲は田んぼだったんでしょうなぁ。
参道の奥に、境内へ登る階段があります。階段下に、ご神木。
境内
拝殿。背後に鎮守の森があります。まさに、千里丘陵の南端。
主祭神は豊城入彦命(第10代崇神天皇皇子)、相殿神は大己貴命、少彦名命です。
けっこう広い境内です。
津くよみの池。奥に、神社名のルーツとなった垂水の本滝があります。
さて、上町台地にあった「難波宮」から、ほぼ真北に位置する千里丘陵の南端の「垂水の本滝」は、したたり落ちる水が難波宮からも良く見えたかも知れないと公式HPに解説があります。
今は、枯れないまでも水量が減ってしまった垂水の本滝ですが、平安時代以降は祈雨の神として奉られるなど、「水」に関するエピソードが多く残っています。千里のルーツを辿るうえで、貴重な歴史を伝える神社といえます。
さて、余談ですが、「津くよみの池」ですが、ツクヨミ(月読命)との関連はあるのでしょうか?調べた範囲では分かりませんでしたので、ご存じの方がおられましたらお教えいただければ幸いです。
古地図で見る垂水神社
さて、垂水神社を古地図で振り返ってみましょう。
今昔マップ on the webより使用・編集させていただいています。明治41年測図の地図です。
垂水神社(赤矢印)が、まさに千里丘陵の南端にあることが分かりますね!やはり参道の周囲は田んぼでした。
現在の、豊津駅、千里山駅、江坂駅、緑地公園駅の位置を緑色で示してみます。豊津駅の周囲には、当時から集落があったことがうかがえます。垂水神社は、村はずれの神社となっています。
今と全然違っていて、興味深いですね!
垂水神社へのアクセス
電車でのアクセスだと、阪急千里線豊津駅から徒歩8分程度です。
ご覧のように、参拝者専用の駐車場もあります。
詳しくは、垂水神社公式HPをご覧ください。
さて、旧ブログで垂水神社近隣のグルメを2軒紹介していましたので、リンクしておきます。参拝時にご参考いただければ幸いです。
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