大阪メトロは大阪万博に向けて、顔認証改札の実証実験をはじめました。
実施されるのは、ドーム前千代崎駅、森ノ宮駅、動物園前駅、大国町駅の4駅で、2020年9月30日までの予定です。
面白いのは、4駅それぞれ会社が違うらしく、オムロンソーシアルソリューションズ、高見沢サイバネティックス、東芝インフラシステムズ、日本信号の4社が参加しています。競合させながらの実証実験というのは、興味深いですね。
本ブログとしても、大阪万博に向けてこういう実験はどんどんやっていってもらいたいという期待がある一方で、不安や懸念もあります。
顔パス改札への期待
大阪の街の発展を願ってやまない当ブログとしては、大阪万博が開催される2025年は、大きなターゲットイヤーとして期待しています。
大阪復活のための橋頭保として、大阪万博を大いに活用していただきたいです。そのために、イノベーションを起こしうる技術の社会実験は大いに行ってもらいたい。そして、大阪万博で培った技術を全国へ広め、日本の再成長のためのエンジンになってもらいたいです。
・・・という夢物語を語りつつ、すでに顔認証技術は社会の中で実用化されている国もあるため、それだけでは決して世界最先端の技術とは言えないということは認識しておく必要があると思います。2025年時点で大阪メトロ全駅に顔認証改札導入では、世界には大きなインパクトは与えられないでしょう。
とはいえ、遅れている技術をキャッチアップするためには絶好の場・・・参画する日本企業にはぜひ頑張ってもらいたいですし、日本ならではの付加価値を付けた新技術が生まれてくればと思います。
大阪の力だけでは足りないと思いますので、大阪万博を次なる技術革新のための絶好の実験場として、ぜひ日本政府含むオールジャパンで取り組んでもらいたいものです。
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一方で生じる大きな懸念・・・
さて、技術面では大きな期待もありますが、顔認証改札というのは、当然キャッシュカード等の個人情報と紐づけされる「顔情報」という、究極の個人情報です。
プライバシー保護という観点からは、大きな懸念が生じるということも考慮しておくべきでしょう。
引用:写真AC acworksさんの画像
特に、参加している企業には、一部であっても外国製品を絶対に使用して欲しくない。外国に大阪府民の情報が丸ごと抜かれるというリスクもあるため、最低でも全て純国産技術でお願いしたいです。
また、個人情報を管理しているサーバにサイバーアタックのようなことをされて、情報を抜かれる可能性もあるわけで、大阪メトロ利用者の個人情報管理の責任所在をどうするかはっきりさせておく必要がありますし、頑健なセキュリティーシステムとのセットであることは必須と思います。
まあ、これも日本が遅れているサイバーセキュリティーにオールジャパンで取り組む好機と捉えれば、そうかも知れませんが・・・
ともかく、いち利用者としては、単なる「顔認証システム」の実証実験の場であるだけでなく、「個人情報保護・人権保護・サイバーセキュリティ」とのパッケージで推進していくべき案件であることを、大阪メトロには強く認識していただきたいです。もしかしたら、その両輪にこそ「日本版・顔認証システム」の活路があるかもしれません。
・・・と思っていたら、こんな記事を見つけたw
量子暗号は、理論上盗聴不可能なんですって。さらに!
うおぉ~、NECってすごいんだー!!
量子暗号+顔認証システムで、日本勢の巻き返しに期待しましょう。また、NECの技術を使って実際に実証実験をやっているのは、ネクストウェアという会社だそうな。これも、大阪万博に向けて楽しみな会社ですね。
ということで、案外、民間の技術は大丈夫そう。あとは、行政や政府の側面支援にも期待したいです。
G20で提言された「大阪トラック」と合わせて、「顔情報の取り扱いに関する国際的ルール」まで大阪主導で作り上げてしまうとかね!
まあまあ良い記事だった!と思っていただけた場合には、是非拙ブログをお気に入り登録くだされば幸いです。