阪急阪神ホールディングスが2022年10月に、梅田地区の再開発のビジョンを定めた大阪梅田2030プロジェクトチームを発足させたと報道がありました。
大阪の都市開発の現状とあわせて、みていきましょう♪
大阪万博2025の次:大阪梅田2030プロジェクトで”世界の大阪”となるか?
阪急阪神の大阪梅田2030プロジェクトとは?
現在、大阪は大阪万博2025に向けた準備が進んでおり、大阪全体の都市開発のためにスーパーシティにも選定されました。
そしてここにきて阪急阪神の大阪梅田2030プロジェクト・・・!
明治時代には沼地と墓場だったという梅田を一大都市に育てた阪急王国の力が、21世紀に改めて示されようとしています。
今度は、「世界都市を目指します」とのこと。
阪急阪神HDという一企業が、国家レベルでの目標に匹敵する都市開発をけん引すると宣言したことは、極めておおきな意味を持つと思います。
阪急阪神ホールディングス「大阪梅田2030プロジェクトチームを発足いたします」(公式資料)
では、大阪梅田2030プロジェクトにおいて示されている「梅田ビジョン」を少し見て行きましょう。
「梅田ビジョン」とは?
新阪急ホテルや梅田ターミナルビルの建て替えなどを通して、国際交流拠点となる施設を作っていくことが示されています。
「『新産業創出拠点』『国際観光拠点』としての都市機能を実現する」ということに関する言及ぐらいで、具体性はまだないのですが、一企業が言及する内容としてはダイナミックすぎます。
まさに、21世紀の大阪の浮沈を阪急阪神が担っているといっても過言ではないでしょう。
スーパーシティの現状:2022年
他方、この阪急阪神HDの一大プロジェクトとも相乗効果をもたらすであろう、「大阪スーパーシティ構想」の現状を少しまとめてみます。
以前、スーパーシティ構想については一度まとめていますので、こちらも併せてご覧ください。
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大阪のスーパーシティ構想とは?~大阪万博との相性抜群!
大阪はスーパーシティ構想に名乗りを上げています。 しかし報道を見て ...
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2022年末までに最終案:未来都市へ始動!
いわゆる、スーパーシティ型国家戦略特区は、AIなどの先端デジタル技術を活用して2030年ごろを目標に、未来社会の実装を目指すという制度です。2022年4月に大阪市と、つくば市の2地域が指定を受けています。
先端サービス実装の舞台としては、府・市は25年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)とJR大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」を想定しています。
現在大阪府市では、最終案を2022年末までにまとめる方向で調整を行っています。
スーパーシティ型国家戦略特区は、AIなどの先端デジタル技術を活用して30年ごろの未来社会の先行実装を目指す制度。特定地域に限り規制を緩和する特区制度のひとつで、4月に大阪市と茨城県つくば市の2地域が国から指定を受けた。
(上記記事より)
関連するのは、大阪府・市や、関西経済連合会、大阪商工会議所、関西経済同友会などの経済団体、2025年日本国際博覧会協会、うめきた2期開発事業者など。会長は吉村洋文知事となっています。
うむ、これはいいのではないかと思います。
国が主導すると、利権や縄張り争いが増え、各方面への忖度ののち、利害調整に大物政治家や電通が絡んでくるといったことになりがちなので(^^;
地方の組織が主体で、機動的にやったほうがいいと思います。会長が吉村さんなのも、良いと思います。まだ若いので、柔軟な発想をお願いしたい。
吉村知事に関しては、将来国政に行く可能性もあると思うけれど、現状で総理大臣になれる可能性は際限なくゼロに近いですので、この大阪の大規模開発を知事として仕切った方がずっとやりがいのある仕事ができるのではないかな・・・ただ、一連のコロナ騒動をみて、発信力は高いものの、やや空回りが目立つ印象の昨今です。ひとりでできることも限られると思いますので、ぜひ優れたブレーンを集めてください。「すべてをかけて、大阪を前に」、頼みますよ~
ただ、あえて苦言を呈するならば、維新は改革や規制緩和には熱心だけれども、「成長戦略」という面においては弱いように思います。スーパーシティってあくまで「仕組み」の話だからね、世界で戦える大阪発の産業の育成にも力を入れて欲しいです。ついでに言うならば、維新がこれ以外の成長戦略を描けないならば、大阪自民や立憲にも活躍の場があると思いますが、さてさて・・・政治家のみなさんはどこまで大阪の成長戦略を思い描いていらっしゃるのでしょうか??
もとい、「未来社会実装の場」は二つ、大阪万博会場である夢洲とうめきた再開発区域です。うめきた再開発区域の方に、阪急阪神HDのプロジェクトは関連してくると思われますので、大きな相乗効果を期待したいですね!
うめきた2期の再開発を中心に、大阪市の担当と、三菱地所、竹中工務店の関係者が対談している記事がありますので、リンクしておきます。
グリーンフィールド型の開発で、大阪が目指すスーパーシティを構築
ちなみに、「グリーンフィールド型」とは、更地から全てを作り上げていくという意味らしい。そういう意味では、うめきた2期も夢洲も、更地からの開発ですよね。
ただ、記事を読んでいると意気込みは伝わってくるのですが、観念論や制度論の話が多く、具体性が乏しいことがやや気になります。比較的具体的といえるのは、「空飛ぶクルマ」ぐらいでしょうかね~。
大阪ベイエリアの夜景。
空飛ぶクルマの現状
すでに何度かプレスリリースもされており、空飛ぶクルマの実証実験は始まっています。空飛ぶクルマというよりは、現状では巨大ドローンですが・・・(^^;
空飛ぶクルマって、技術的にはもう十分できるもので、世界的に見てめちゃくちゃ目新しいものでもないんですよね・・・
なので、実現にあたっても最大の障壁は、技術面というよりは「実装化」の段階にあると思います。
つまり、飛行機も飛んでいるし、道路には道路交通法が適用される現状において、「どこで空飛ぶクルマを使うのか?」というところをクリアし、管制や法律などシステムとして確立することが最大の問題だと思います。
現段階で、航路実現性の確立のための実験経路としては、下記のようなものが考えられているようです。
出典:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02128/00006/
万博会場は海上にあり、道路交通法や航空法などの法律に抵触しない可能性が高く、実証実験も行いやすい格好の場所だと思います。
また、大阪は水の都ですし、海や川に沿って発着場を設置することで、経路も拡大させやすいです。まさに、大阪は空飛ぶ車の実装化実験場としてふさわしい場所です。将来的には、神戸空港や関西空港を結ぶことは比較的容易でしょうし、淀川をさかのぼって京都へ、大和川をさかのぼって奈良へ、といった経路も考えられます。「AIを使って」とか「健康情報のビッグデータで」とかいうのもいいですが、空飛ぶ車の実装化の方がピンと来やすいですので、是非頑張ってもらいたいです。
空飛ぶ車が商業ベースとして成立するようになってくれば、さらに航路を拡大して、淡路島や和歌山、さらには瀬戸内の島々が繋がってくる可能性がみえます。空飛ぶ車は時速100kmらしいですので、観光面でもビジネス面でもかなりのインパクトをもたらしうるものになっていくと思います。空飛ぶ車が瀬戸内の島々や四国を行きかうようになれば、もう四国新幹線とか必要なくなりますね!
「水素エンジン駆動の空飛ぶ車」まで行けば、技術面でも他国を圧倒する革新にもなると思いますけどね~
なお、空飛ぶクルマの種類を含めた総括的な良記事を下記にリンクしておきますので、さらに詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
大阪万博2025、そしてその先にある大阪梅田2030を期待していきたいと思います!