本日は、大阪からの日帰り旅行に最適な・・・というか、半日旅行で済むお手軽ハイキング、京都府大山崎町の天王山をご紹介いたします。
天下分け目の天王山
豊臣(羽柴)秀吉と明智光秀が戦った「天下分け目の天王山」。有名な山ですが、いったいどこにあるのかというと・・・
ここです。
桂川、宇治川、木津川が合流して淀川になるあたり、旧摂津国と旧山城国の境界にして、天王山と男山に挟まれた土地に桂川、宇治川、木津川、阪急電車、JR、新幹線、国道171号線(旧西国街道)、京阪電車が通る交通の要衝です。古来より現代に至るまでの日本の大動脈といえます。ギリギリ京都府。
JR山崎駅の踏切を渡ると、すぐに天王山登り口の案内があります。
大念寺は浄土宗のお寺
登り口から坂を上っていくと、こんな山門へと続く登り階段がいい雰囲気の大念寺があります。1555年開基の浄土宗系の寺院です。
観光地というよりは地元のお寺という感じで、造りはシンプルです。
鐘楼と本堂。
宝積寺は歴史上重要な役割も果たした真言宗のお寺
続いて、登山道を登っていくとこんな立派な山門に出くわします。
真言宗系の宝積寺(ほうしゃくじ)です。724年に聖武天皇に依頼された行基が建立したとされます。
聖武天皇、行基などの歴史上の人物が深く関わる宝積寺ですが、羽柴(豊臣)秀吉が、山崎の戦い(天王山の戦い)において本拠地にしたり、1864年の禁門の変で尊王攘夷派の十七烈士の本陣が置かれるなど、何度か歴史に深く関わるお寺でもあります。
豊臣秀吉の一夜之塔。
ここも境内ながら、天王山の登山道の一部です。寺院と山が一体化している証左です。
本尊は十一面観音菩薩。五色幕が色鮮やかです。
登山道の風景
やや急な階段もありますが、ほぼハイキング道です。
青木葉谷展望広場から、大阪方面の遠景。くねくねと淀川が流れています。右奥に大阪の超高層ビル群が見えます。
山崎合戦の地。戦略上の要衝だし、山の各所に寺院や神社もあって道も複数あるため、このあたりで戦になった場合には陣を置きたくなる気持ちがすごく分かりますw
旗立松展望台から、京都方面を臨む。大山崎JCTが見えてます。この足元を貫く天王山トンネルから出た名神高速が奥へと延びて行っています。右方向へ行くと京滋バイパス。
ハイキング道を歩いていると突然現れる酒解(さかとけ)神社の鳥居。
山側から鳥居を通して大阪方面をみています。登山道はこんな感じ。
合戦図。
十七烈士の墓。禁門の変(1864年)の戦いで敗れ自刃した真木和泉守以下十七名の墓で、秀吉の時代よりは新しいものになります。
酒解神社の三社宮。天照大神(アマテラス)、月読大神(ツクヨミ)、蛭子神(ヒルコ)が祭られています。いずれも、イザナギ、イザナミの間に生まれた神々です。三貴神でスサノオが入らずヒルコになっているのは何故??
そして、天王山山頂は270メートル。JR山崎駅から40分程度で到達します。
天下分け目の天王山の旗。
山頂はこんな感じで展望は開けません。付近を通る自動車や新幹線の音も聞こえ、山頂にいながら日常が味わえるというのが奇妙な感覚です。
下山途中の風景。
桂川、宇治川、木津川が合流して淀川になるところです。木津川って、遥か名張とか上野から流れてきていると思うと、なんか感慨深いものがありますねw
淀川って琵琶湖から流れてきているイメージが強いですが、琵琶湖から来るのは宇治川だけなんだなぁ・・・
向かいの山が男山。天王山と男山のあいだに、淀川に加えて、阪急、JR、新幹線、国道171号線(旧西国街道)、京阪が通っています。ここが京都ー大阪間の交通の要衝になるのは地形的に当然ですね。
大阪からでも半日で行って帰ってこれる距離です。プチハイキングに如何でしょうか?