現在の彩都のふもとにある清水~宿久庄地域には、ひっそりとした到達難易度の高い神社がたくさんあり、その古い歴史を物語っています。
月の清水跡とされる春日神社、ここもなかなか到達難易度の高い神社です。情報もあまりない・・・
広報いばらきより
清和上皇(850年〜880年)が勝尾寺を訪れた際、近くの寺院に宿泊し、月見の宴を催したという伝承が残っています。その折に、村民たちが寺院の前にあった「山ノ井の清水」に桃の花を挿したところ、上皇は大変気に入り、その井戸を「月の清水」と命名したとされています。
月の清水跡・春日神社は清和源氏のルーツ清和上皇と関連あり
月の清水跡
「月の清水跡」の碑。
茨木市のHPにある通り、清和上皇が勝尾寺を参拝した際に、この地の「山ノ井の清水」を献上したところたいそう気に入り、その井戸を「月の清水」と名付けたことに由来しています。
清和天皇(上皇になる前)の在位は858年~876年とされます。勝尾寺も古いですが(創建727年)、この神社の由来も800年代後半ということでしょうか。
ちなみに「清和」はその後、多田院(現在の川西市)で清和源氏として武家の道を拓く一族の先祖であることを示しており、北摂地区になじみの深い人物とも言えます。
春日神社は須久久(すくく)神社とのゆかりも深い
神社の入り口は標準的な明神鳥居です。
石塔がたくさん。
お正月期間等には夕方からの石塔のライトアップもあります。
本殿です。境内はそれほど広くはありません。
さて、延喜式神名帳(平安時代中期に編纂された神社リストのようなもの)には、須久久神社二座とあり、この春日神社がその一座とされます。創建は740年。須久久神社についてはこちらをご覧ください。
春日神社と称するようになったのは1655年です。したがって、現在のGoogle Mapにも、春日神社(元須久久神社)と記載があります。
勝尾寺などに比べるとどちらもローカルな神社ですが、この地域にとっては重要な意味を持つ神社なんだなぁ。。
ご祭神
ご祭神は、天児屋命(あめのこやねのみこと)=春日権現、建御雷神(たけみかづち)=鹿島神、経津主神(ふつぬしのかみ)=香取神、比売神(ひめがみ)=天児屋命の妻です。
いずれも伝説上の古代の神で、こういった神々のみがご祭神というのはなかなか珍しいパターンではないかと思います。一応、天児屋命は豪族中臣氏の祖神ということになっています。ちなみに、近隣の五字神社も知恵に関わる古代神オモイカネを奉っております(オモイカネと天児屋命は同一神という説もあるようです)。
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北摂地区の小神社は、それぞれの歴史が想像されて興味深いな~
春日神社(元須久久神社)へのアクセス
道が狭く、標識もないため、やや到達難易度が高いです(近隣の畑神社ほどではありませんが・・・)。近隣に小規模神社がたくさんありますので、プチハイキングを兼ねて一帯を回られてみるのが良いかもしれませんね!ちなみに、大阪モノレール豊川駅近です。
まとめ
月の清水跡・春日神社(元須久久神社)をご紹介いたしました。小さな神社でも深い歴史があるのが、北摂地区の神社の魅力のひとつです。
近隣の神社仏閣とあわせてご参拝ください!
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