箕面市東部に「五字神社」という名の神社が二つあります。ひとつは「ごあざ神社」、もうひとつは「ごじ神社」と読みます。いずれも祭神に八意思兼命(やごろもおもいかねのみこと:オモイカネ)を持つ、興味深い神社です。神様のちょっとしたうんちくと合わせてどうぞ!
箕面粟生間谷の五字(ごあざ)神社
五字(ごあざ)神社。彩都から南西に少し下ったところ、昔からある住宅街粟生間谷に鎮座します。
路地裏っぽいところにあって、とてもいい雰囲気。神社を取り囲むように住宅地が発展していった感じです。すぐ隣はスーパーになっています。
昔からある集落(戦前まで?)→その周囲に発展した粟生間谷の住宅街(戦後昭和)→その外縁の彩都ニュータウン(平成)、とこの神社中心でみれば、街の重層的な発展をなんとなく感じます。
明神鳥居と境内
一般的な明神鳥居。
「ちえの神さん」の碑がなんかいい感じ( ´艸`)。学問向上の守り神として昔から信仰されている尊い神さん。
ご由来。
村民は心の拠り所として、最も聡明叡智の八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)を信仰し、氏神として祭った。
八意思兼命(古事記ではオモイカネ)は知恵をつかさどる神さまです。アマテラスが天の岩屋にお隠れになったときに、困った神々が知恵を授かりにいった高天原の古参の神様。ご意見番というか、知恵袋のような神様。
今では比較的交通の不便な場所に思えますが、周囲は歴史ある集落であることがうかがえます。「茨木能勢線」に近接していますので、かつては能勢へ抜ける街道沿いの街であったのでしょう。
箕面市商工観光課のホームページで「五字」の由来っぽいことが解説してあります。
HP:箕面温故知新
五字(ごあざ)神社へのアクセス
専用の駐車場はありません。スーパーの近くにあります。路地裏の小さな神社です。
箕面粟生外院の五字(ごじ)神社
つづいて、箕面市粟生外院にある「五字(ごじ)神社」です。徒歩圏内に、上で述べた五字(ごあざ)神社があり、初参拝者にしばしば混乱を招きます。しかも、いずれも知恵の神とされる八意思兼命(やごろもおもいかねのみこと)が祭られています。
明神鳥居と境内
スタンダードな明神鳥居です。
こじんまりとした落ち着いた雰囲気の境内です。創建は不明(北摂の神社は古いものが多い・・・!!)
八意思兼命(やごろもおもいかねのみこと)いわゆる「オモイカネ」以外に祭られているのは、三宝荒神(さんぼうこうじん)、愛宕権現(あたごごんげん)です。
こちらもご参考ください:箕面温故知新(商工観光課のHP)
五字(ごじ)神社へのアクセス
専用の駐車場はありません。小さな神社です。
神さまのちょっとしたうんちく
ここで軽くうんちくを。八意思兼命(やごろもおもいかねのみこと:オモイカネ)とは高天原のご意見番とされます。アマテラスが天の岩屋にお隠れになったとき、神々が相談をしにいったいわゆる「知恵の神」です。その後もアマテラスの補佐役となっておられます。
三宝荒神(さんぼうこうじん)は仏法僧を守護する「火の神」です。箕面勝尾寺にも祭られています。
愛宕権現(あたごごんげん)は別名「カグツチ」、イザナギとイザナミの初期の子とされ同じく「火の神」です。(カグツチによりイザナミが死んじゃう・・・)。池田の愛宕神社では、毎年8月末に大阪の大一文字焼きも行われています。
三方荒神とカグツチは北摂の多くの神社仏閣で見かけますが、オモイカネはかなりレアです。そして、カグツチ、オモイカネともに日本神話の中でも最古参の神々です(アマテラスより古い・・・)。
神社の創建の経緯は詳しく分かりませんが、仏教系の三宝荒神はともかくとして、祭神にオモイカネとカグツチをチョイスするこの地の昔の人々はなんか渋いな・・・。日本神話の中でも最古参の神々です。箕面粟生外院の氏神様となっております。おもしろいですね。
いにしえの北摂・箕面にご参拝はいかがですか?