「大阪のてっぺん」能勢町の更にてっぺんを目指す、能勢剣尾山(けんびさん)のハイキングコースについてご紹介いたします。
修験者の道場でもあった巨石群や、山頂付近にはかつて存在した寺社跡もあり、「聖地」感をバリバリ感じることができる素晴らしきハイキングコースです。
山岳信仰に思いを馳せながら大阪の真のてっぺんを目指す能勢剣尾山ハイキング!
剣尾山登山口。ここから行者山~剣尾山へのハイキングがはじまります。
ちなみに、能勢の郷温泉の無料駐車場からここまで徒歩約10分かかります。
手前にはトイレがあります。地図でいうと、登山口はここ。
まずは行者山の山頂を目指す:聖なる岩々が点在する行者道!
登山道は、このように整備された階段が設置されております。道から外れない限り、危険な場所もありません。
ですが、前半はひたすらこんな感じの登りが続きます。
途中から、巨石が現れはじめます。
木々の中に鎮座する、今にも転がり落ちそうな巨石が、めちゃくちゃシュールです。隕石でも落ちてきたのかと・・・
迫力ある巨石。
ここから行場めぐりの別コースがありますが、剣尾山を目指しますので迂回せずまっすぐ進みます。
また巨石・・・すごいところです。太古の時代、山岳信仰の聖地になった理由がなんとなくわかります。
摂津大峰行者山の解説の看板。あまり詳しい調査はされておらず、まだまだ不明な点が多い当山のようですので、こういった公式の解説はとても重要です。修験道の開祖といわれる役小角が699年に当地に入ったというのが、この地が行者の聖地となったルーツであるようです。役小角は、北摂山地の方々においてみられる名前です。
更にすすむとこんな岩に囲まれた狭路もあります。なんとなく、ロード・オブ・ザ・リングを思い出したw
行者山山頂から、巨石のうえを通して能勢の里を見下ろします。
行者山山頂。ここまで登山口から約20分。剣尾山まではまだまだ道半ばもいっていません。
謎に包まれた月峯寺跡を経て、剣尾山山頂へ
行者山山頂までは階段が続く急登でしたが、ここからはだらだらとした上り坂が続いていきます。
途中、平坦な箇所もあり。
なんとなく雰囲気の良い場所だと感じたら・・・
月峯寺跡でした。
寺跡は山頂付近の南に下る尾根に位置しており、堂坊が建てられた平坦な区画や建物の礎石、石垣などが認められます。また鎌倉時代に造られたと考えられる石造物なども残されており、かつての隆盛が窺われます。近年ではこれにさらに遡る平安時代(11世紀代)の土器も採集されており、古くから人々の信仰を集めた特別な場所であったとも考えられます。
平安時代~鎌倉時代の痕跡が残されているようですが、北摂の歴史の古さを考えるとルーツは更に古いのでしょうね。
石に刻まれた梵字がそのまま残っています。こういうのがゴロっと転がっている「ワイルドさ」が凄くないですか?
何かの建物の礎石でしょうか。。
ここが、月峯寺本堂跡・・・聖地感半端ない。。RPGゲームで出てきたら、間違いなく最強のアイテムが手に入りそうな場所です。
梵字の刻まれた岩。こういうのが整備されずにむき出しのまま置いてあるのが、北摂山系の魅力でもあります。
月峯寺跡から、剣尾山山頂まではすぐです。山頂にも岩がゴロゴロ。海抜784m。
登山口から約80分。ベンチがいくつかあります。トイレなどはありません。
剣尾山山頂から大阪方面の遠景です。大阪湾方面が見えています。のっぽのビルはさきしまコスモタワー。
亀岡方面の遠景。
このまま横尾山方面へ縦走するコースもありますが、月峯寺跡でおなか一杯なので引き返します。
下山は約50分ほど。登山口から休憩含め、ざっくり2時間半みておけば、行って帰ってこれるでしょう。
剣尾山、その魅力を再確認
ということで、登山としては初級者向け、ちょうどいいくらいのハイキングコースである剣尾山ですが、単なるハイキングにはとどまらない魅力に満ち溢れています。
西暦699年に、修験道の開祖とされる役小角がこの地に入り、行者たちのルーツとなったと思われます。
その後、平安時代~鎌倉時代には全盛期を迎え、剣尾山山頂付近に山岳寺院・月峯寺が築かれました。
しかしやがてこの地は、歴史のメインストリームからは取り残され、かつて行者たちが修験に励んだ岩場と、山岳寺院跡が静かに残っているという時代の流れになっています。
そういった歴史に思いを馳せると、このハイキングコースが凡百のものとは一線を画するものであるといえます。
単なる山登りを超えた、パワースポット感満載のこういったハイキングコースもまた、北摂の山々の魅力の一つだと思います。
アクセスと無料駐車場
国道173号線から能勢温泉方面へ行くと、すぐに無料駐車場がありますが、案内図がなく分かりにくいのでルートを書いておきます。
能勢温泉・山辺離宮の手前に、登山者用の無料駐車場があります。
駐車場から能勢温泉内を通ることができませんので、ぐるっと迂回すると登山口まで10分ほどかかります。
杜のテラスというキャンプ場に隣接しています。
宿泊は?
剣尾山の登山口にもなっている能勢温泉。
温泉と懐石料理で、登山をあわせてゆっくり過ごされるのはいかがでしょうか?
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山辺離宮は能勢の高級宿です。
さらに、能勢温泉の近くには能勢に似合わぬ(?)超高級レストランもあります。
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大阪のてっぺん・能勢も、なかなか捨てたものではないでしょう!?
まとめ
古来から修験者たちを集めた聖地でもある能勢の行者山~剣尾山のハイキングコースをご紹介いたしました。
過去の信仰のあとがむき出しの状態で残っているパワースポット感満載のお山です。低山とはいえ、山岳信仰の残滓のある北摂の山は本当に奥深いです。
「おおさかのてっぺん」である能勢町の「てっぺん」を目指してみてはいかがでしょうか?