2019年3月に開通したJRおおさか東線、すっかりJRの路線図にも馴染んだ感があります。新大阪・南吹田・淡路と久宝寺・八尾方面の直通を可能にしたおおさか東線、当初は大きな経済効果も期待していたのですが、実際のところはどうなのでしょう?
今回は、JRおおさか東線の新大阪駅から八尾・柏原方面へのアクセスについて考えてみます。
北摂と河内を結ぶJRおおさか東線の利便性:路線の比較
新大阪駅からJR柏原駅への交通を例として
JRおおさか東線の「北摂側」の窓口である新大阪駅から、「河内側」のターミナルの一つである柏原駅へのアクセスを例に検討してみたいと思います。
新大阪駅から柏原駅への主なアクセス方法は3パターンが考えられます。
- JRおおさか東線経由:新大阪-(JRおおさか東線)-久宝寺-(JR大和路線)-柏原
- JR環状線経由:新大阪-大阪-(環状線内回り)-天王寺-(JR大和路線)-柏原
- 大阪メトロ経由:新大阪-(大阪メトロ御堂筋線)-天王寺-(JR大和路線)-柏原
1. JRおおさか東線経由:新大阪-(JRおおさか東線)-久宝寺-(JR大和路線)-柏原
まずはおおさか東線経由を検討してみます。9時に新大阪駅を出発するとして、
9:02 新大阪 ー 9:36 久宝寺 ー 9:44 柏原 42分 (460円)
久宝寺駅で乗り換えが必要ですし、なにげに放出駅で学研都市線との連絡のため数分停車することがあり、意外と時間がかかる印象です。新大阪駅発もおおむね15分間隔であることのネックかもしれません。
2019年9月現在の新大阪駅時刻表(おおさか東線)。快速の設定は夕方のみ。15分間隔ですので、乗り遅れてしまうと時間をロスしてしまう危険性があります。
2. JR環状線経由:新大阪-大阪-(環状線内回り)-天王寺-(JR大和路線)-柏原
次に、JR大阪駅経由の環状線まわり。9時前後に新大阪駅を出発するとして、
9:00 新大阪 ー 9:04 大阪 ー(環状線) ー 9:36 天王寺 -9:47 久宝寺 ー 9:56 柏原 56分 (460円)
乗り継ぎがやや悪いです。大阪駅でタイミングよく大和路快速に乗ることができれば、46分程度で到達できる場合もあります。
大阪、天王寺(もしくは新今宮)、久宝寺と乗り換えポイントが3つあることから、乗り継ぎタイミングによって時間の予想が難しくなります。
3. 大阪メトロ経由:新大阪-(大阪メトロ御堂筋線)-天王寺-(JR大和路線)-柏原
続いて、大阪メトロ経由です。9時前後に出発するとすると、
9:05 新大阪 - (御堂筋線) - 9:28 天王寺 - (JR大和路線) - 9:56 柏原 51分 (500円)
意外と時間がかかる印象です。御堂筋線の方が本数が多いため、新大阪駅発着時間をあまり気にしなくていいことはメリットかも知れません。
新大阪駅から八尾・柏原方面へ行く場合、やっぱりJRおおさか東線が最良の選択か
おおさか東線の場合、新大阪発着列車の本数が少ない点、放出駅で連絡待ちがある場合がある点などを考えると、「すごく便利」というわけではないのではないかと感じたのですが、他のルートを比較してみると、やはりおおさか東線の利用が最も良いようです。
おおさか東線の南側のターミナルは、北摂市民にはなじみのうすい久宝寺駅で、大阪駅や天王寺駅を経由しないのが逆に不安に感じる場合もあるかと思いますが、やっぱり北摂と河内の接続にはおおさか東線が便利です。
ちなみに「八尾」は久宝寺の次の駅で、快速非停車駅です。
北摂市民にとってのおおさか東線の更なるメリット
引用:JRホームページより
新大阪・南吹田・淡路という北摂の窓口から河内方面を結ぶおおさか東線ですが、八尾や柏原へのアクセス以外に、京阪電車(JR野江)、学研都市線(放出)、近鉄電車(JR河内永和、JR俊徳道)に接続しているのが、地味にメリットになっていると思います。
「梅田」を経由せず、京阪、近鉄、奈良方面へ!これこそが、おおさか東線の大阪経済に与える大きなインパクトだと思います。
河内方面からの新幹線へのアクセスの改善は言うに及ばずですね。
まとめ
・JRおおさか東線は北摂から河内・奈良方面へのアクセスに便利です!
(新大阪-柏原へのアクセスを例として)
- JRおおさか東線経由:新大阪-(JRおおさか東線)-久宝寺-(JR大和路線)-柏原 約42分(460円)
- JR環状線経由:新大阪-大阪-(環状線内回り)-天王寺-(JR大和路線)-柏原 約56分(460円)
- 大阪メトロ経由:新大阪-(大阪メトロ御堂筋線)-天王寺-(JR大和路線)-柏原 約51分(500円)
・ただし、新大阪駅発着はおおむね15分間隔です。
・阪急電車(JR淡路)、京阪電車(JR野江)、学研都市線(放出)、近鉄電車(JR河内永和、JR俊徳道)にも接続しています
ということで、北摂市民にはやや馴染みの薄いおおさか東線ですが、是非一度利用してみてくださいね!